2025/06/25 21:19

WRITE:SIEG Director

Hideki Kobayashi


2024年2月。

ほっそからのLINE。

(※今や群馬ではお馴染みとなった“ほっそ”は、地元でのニックネーム)


「まだどーやるかわからないんだけど、一緒にブランド作って服とか作りたいなーって思ってさ」 (原文まま)


この頃の僕らは、Apex Legendsというプレステのゲームにはまっていて、ほぼ毎日のように夜は通信して対戦するのが日常だった。

不思議なことに、この日はゲームをしていなかったね。


元々、僕が洋服関係の仕事をしていることもあって、彼が想い描くブランドビジョンにはすぐに共感した。同時に、その発想をデザインに起こして、洋服をディレクションすることにも、必ずイイものが生み出せると確信した。それからはブランドの誕生に向けてひたすら駆け走る毎日。

びっくりすることに、それまで夢中になっていたApexをピタッとやらなくなったのもこの時からだね(笑)



ブランド名、『SIEG』

これはほっその発案で、それまで何十通りものアイデアを出し合ってきたのだけれど、1発で決まった。

勝負事でも私生活でも勝ちにこだわる。彼のスタイルが、まさに体現された言葉を人生に刻みたい。


これは後になって気づいたことなんだけれど、ジークという響きが漢字で二(ジ)九(ク)と読めることも、29=二九=ジークという繋がりがあって凄く気に入っている(笑)


2024年6月29日。

ついにSIEGが誕生した。

話をもらってからの約5ヶ月間は、ほぼ毎晩と言っていいほどビデオ通話でミーティングを繰り返した。

互いの時間を削って、First Collectionの発売に向けた準備を進めた。


ほっそとの付き合いは6歳の頃から。もう20年以上も経つ。

昔から運動神経は誰よりも優れていて、人一倍負けず嫌いで繊細だった。


僕が入団した隣町のサッカー少年団にすでに彼は居た。ポジションはゴールキーパー。たまたまほっそがフォワードをやった4年生の試合で、彼はひとりで5点取った。もう一度言うけれど、本職はゴールキーパー。当時から手も足も使えるバケモノ(褒めてます)だった。

洋服を作るにしてもとにかく細部にまでこだわる。ロゴを作る時のわずかな数ミリのずれも、こういうことをしたら、着ていただく人が喜んでくれるんじゃないかって、いつも周囲の皆んなを1番に考えてる。そんな優しさも、昔からずっと持ち合わせていた。


ほっそは人一倍実直で努力を怠らない。


試作を何度も練る。

ひとつの作品が完成するまでに最低でも2回、多い時は4回も5回もサンプルを作る。目で見て触れるリアリティ、生地感、着用時のシルエット、ロゴの配置なども、納得がいくまで試行錯誤を繰り返す。


曖昧や妥協は許さず、究極の完成形で発売にようやく辿り着く。


僕らが大切にしたいことは、自分たちが着たい洋服のブランド。こんな服を着たい。そして皆さんにこんな服を着てもらいたいというのを、あまり肩肘張らずに表現している。

自分たちが好きでやってみて、上手くいかないのは仕方がない。でもこうしたら皆さんに喜んでいただける。本当に良いと思っているんだから、そのままやってみようと。


思い描いていたカタチが、少しずつ現実になっていく。

この感覚は何度味わっても本当に特別。考えることも悩むこともたくさんあるけれど、皆さんから喜びの声をいただいた時にやっと報われる。


SIEGの洋服を纏うだけで、自信に満ちた自分になれること。

なにかイヤなことがあっても、SIEGを着るだけでテンションが上がったり、SIEGを着たら最強になれること。


ただかっこいいだけじゃない。

強さの中にやわらかさがあって、どこか少年のようなときめきもある。


そんな理想像と、ひとつひとつこだわり抜いたディテールに惹かれてる。


今や彼の代名詞となった“入りだしたら止まらないスリーポイント”は日常のこだわりこそが生み出しているんだなぁと。